日本には、四季折々の自然から生まれた美しい伝統色があります。
桜の淡いピンク、夏の深い藍、秋の紅葉の朱、冬の雪を思わせる白――。
こうした色彩は、千年以上の時を超えて着物文化に息づき、振袖を華やかに彩ってきました。
数百にも及ぶ日本の伝統色は、季節感や風情を大切にする心から生まれたもの。
今回は、「四季×伝統色」という視点で、振袖に込められた日本の美しき色彩の世界をご紹介します。
薄桜うすざくら
桜の花びらを映す、
繊細な和カラー
春の訪れを告げる色が「薄桜(うすざくら)」です。
桜の花びらのように、ほんのり紅みを帯びた白で、淡い桜色の中でもさらに柔らかな色合い。古くは「薄花桜(うすはなざくら)」とも呼ばれ、春の光に溶け込むような儚さを感じさせます。
FURISODE
振袖はピンク色を帯びた淡い紫色が基調。牡丹や藤の花が舞う柄が、品格と優美さを漂わせます。春を空気をまとうような一枚は、晴れの日にぴったりです!
大切な想い & 繊細な感性
Other spring colors
- ■曙色 akebonoiro 朝焼けのような淡い黄赤色
- ■柳色 yanagiiro ほんのり白みを含んだ黄緑色
- ■紅藤色 benifujiiro 赤みがかった紫色
空天色くうてんしょく
晴れ渡る空を映す、
涼やかな青
夏の空を思わせる爽やかな色が「空天色(くうてんしょく)」です。紫みを帯びた明るい青で、昼間の晴れ渡る空をそのまま閉じ込めたような透明感。古くは江戸時代から親しまれ、明治・大正時代には広く使われるようになった歴史ある色名です。「空色(そらいろ)」や「碧天(へきてん)」とも呼ばれ、日本人の心に深く根付いた夏の色彩といえるでしょう。
FURISODE
振袖は紫みがかった淡い青をベースに、牡丹や椿、菊が身頃いっぱいに咲き誇ります。華やかさと涼やかさを兼ね備えた一枚で存在感バッチリです!
澄んだ気持ち & 生まれ持った力
Other spring colors
- ■琥珀色 kohakuiro 透明感のある黄褐色
- ■珊瑚色 sangoiro 黄色みがかったピンク色
- ■天青 tensei 雨上がりの澄んだ青色
天鵞絨ビロード
深みのある緑が奏でる、
クラシカルな和の美
秋の落ち着きを映す色が「天鵞絨(ビロード)」です。
ビロード生地のような、暗く青みを帯びた深い緑色で、どこかクラシカルな雰囲気を漂わせます。この名前は、光沢のある生地が白鳥の翼に似ていることから生まれ、「天鵞」は白鳥、「絨」は毛の厚い織物を意味します。江戸時代から伝わるこの色は、重厚感と気品を兼ね備え、日本の秋を象徴する伝統色のひとつです。
FURISODE
振袖は深みのグリーンに落ち着いた白を合わせたツートーン。シンプルでありながら、ファッショナブルな世界観が印象的です。
深い愛情 & 凛とした品性
深蘇芳ふかすおう
渋みを帯びた紅が語る、
雅な秋の彩り
秋の深まりを映す色が「深蘇芳」です。
蘇芳という植物から取れる染料で濃く染めた、暗く渋みのある紅色。その色合いは、日本で高貴の象徴とされた紫にも近く、古くは「ふかすおう」「こきすおう」と呼ばれていました。雅やかな雰囲気を漂わせるこの色は、平安時代から人々に愛され、秋の装いに格別の趣を添えてきました。
FURISODE
振袖は黒みを帯びた深蘇芳に黒の染め分けを施し、紋様をより一層引き立てるデザイン。重厚感とオリジナリティーが融合し、心が満たされる一枚です。
尊さ & 個性の象徴
紺鳶こんとび
深い紺と鳶色が織りなす、
静謐な冬の美
冬の凛とした空気を映す色が「紺鳶(こんとび)」です。紫がかった濃い紺色に、赤黒い茶褐色の鳶色を重ねた深みのある色合い。日本では古くから鳶が生息していましたが、この色名が使われるようになったのは江戸時代から。
重厚で落ち着いた雰囲気を持つ紺鳶は、冬の静けさを象徴する伝統色のひとつです。
FURISODE
振袖はグレーを帯びた紺色と秀麗な白との組み合わせで、洋テイストの牡丹がドレスのような美しさを演出し、クラシカルでありながらモダンな着こなしを叶えます。
粋 & 洗練された美
Other spring colors
- ■銀灰色 ginkaisyoku 銀色を帯びた灰色
- ■留紺 tomekon 紺色の中でも最も濃い色
- ■雪白 seppaku 雪のように白く、純粋な白色
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