きものの雑学
解衣推食

中国、前漢の武帝の時代、司馬遷によって編纂された歴史書『史記』の中の記述が語源となっています。
漢の劉邦が部下の韓信に楚の項羽を討たせようとしたとき、そのことを知った項羽は寝返りを説得しようとしたが、韓信は「前にあなたに仕えていたときは、進言も策略も取り上げてくれなかった。けれど劉邦は、進言も策略もすべて聞き入れ、将軍として扱ってくれて、ご自分の衣を与えてくれたり、食事をさせてくれたりしたのですよ」と言って断った。
というエピソードがあります。
恩義に感じたことを話したくだりが「解衣推食」の元であり、現在では自分の着物を着せてあげたり、自分の食べ物を人に恵んだりするように、人に恩を施す、人を深く思いやることを意味します。